39歳で医学部に合格した3児のお母さん
表題のニュースがありましたが、記事を読んで『美談として何か到達した事のように書いているが、始まったばかりじゃないか。医学部1年生として・・・』というのが私の実感です。7年掛けても結果を出したこと自体は評価はしますが。
医学部入学後は進級試験が厳しく、数年位前の広島大学では2年から3年に上がるのに半数近くを留年させた事がありました。これはちょっと数が多いのでニュースになったものです。
しかし通年で半数近くの人数が引っ掛かってしまうとは、入学から国家試験合格までならそう珍しくないです。上の学年になればなるほど、厳しいものです。留年を繰り返して退学させられる者もチラホラいます。
本件ニュース記事の人は子育て等で時間が取られながらも7年掛けて医学部受験合格らしいですが、入学後や卒業後は「ながら勉強、ながら研修」では厳しいと思います。ベビーシッターさんを高額で住み込み同然に15年契約で雇って、第2のお母さんを確保すべきなど、時間の捻出が必要です(子育て放棄に近く、私には馴染めません)。
そういうことで勉強に専心して6年で医師免許取得、初期研修2年に加え、専門領域も最短でも5年くらいやらないと患者さんに迷惑が掛かりますから、39+6+2+5=52歳くらいでやっとギリギリ使い物になる医師かな?というところです。開業するなら+3年(卒後10年)は臨床の場に専念して欲しいところです。
さて、多くの学会では卒後7年目で専門医試験を課し、合格者は学会認定専門医を名乗らせるのですが、私が整形外科専門医を取得した際に、11歳先輩の医師から言われたのは「これからじゃないか!(笑顔」とのエールでした。そう!医師として羽ばたけるのは専門医となったあたりからなのです。
・・・私には上述の思いがありますから、表題の記事を読んで複雑な気持ちになりました。