2つの美容外科学会の統一 ⑩市田正成先生のコース(整形→形成→美容)はもう無理

今度の十仁系美容外科学会では市田先生の「脂肪注入の歴史」の講演がありますが、市田正成(憲信)先生というお名前は私が医学部5年の時(昭和60年)に知りました。そして研修医2年の時、先生の名著:外来小手術アトラスに出会っては繰り返し繰り返し読んで外来処置で実行して、この市田先生のように整形→形成→美容というステップを踏みたいなと思ったものです。市田先生は整形外科医を7年やって北里大学形成外科に入局し翌年は形成外科講師となりました。当時私はこれは整形外科をやっておけば形成外科医としても通用すると思ったものです。
しかし、私が医師4年目、5年目に複数の大学の形成の医局に出向き話を聞けば、「他科からウチに入局したものは卒後7年経って他科の専門医を取っていても実力的には3年目扱い、そして入局者としは1年目扱いだから、ウチの卒後2年目で入局2年目の先輩には敬意を払うこと。例えば病棟の患者が中央手術室に搬送の際は、入局1年目は看護助手と同行すること。何?美容外科?美容は入局後10年経たないと、やらせない。」
私は市田先生に尋ねたことがあります。「市田先生が北里に昭和51年に入局した時は、北里大は一回生が卒業したばかりで形成外科の体制が整っていなかったから翌年講師になれた、つまり市田先生は途中から形成に(奴隷奉公せずに)入局できた最後の世代と考えますが、どうですか?」すると市田先生は「まあ、そうやな。」と答えられました。