形成外科学会総会に出席
本日まで日本形成外科学会が福岡であり、会長が大慈弥先生で嬉しくありました。3000人近く参加の大盛況で、美容のセッションでは広い会場でも満席で立ち見も出るくらいでした。
色々おもしろい話が聞けましたが、私の追憶を呼び起こしたものもありました。 それはランチョンセミナーで高齢者の足の難治性潰瘍をフィブラストスプレーと湿潤治療で期間は掛かっても治したことにフロアーから2件意見が出たことにです。
①「ADL(注:日常生活動作)の獲得のため切断して義肢にすべきだったのではなかったか?」
②「在院日数が長引き過ぎると病院の経営には良くない(注:保険点数は入院期間が短いほど高い)、途中から在宅にすべき。」
・・・実はこの意見は至極正しいです。 私は湘南鎌倉総合病院勤務時代に下腿開放骨折のお婆さんの下腿切断の執刀をしています。術前カンファランスで部長が、「若い人だったら何としてでも治す。しかしお年寄りは治らないかも知れないし、治療が長引いているうちに寝たきりになり余生に良くない。」と決断してくれました。このお婆さんの下腿切断後のリハビリはスムーズで義肢を付けて一本杖で歩けるようになって速やかに退院しました。整形外科的に一番正しい治療だったと今でも思っています。 ただ、人の四肢を切断するのはセンチメンタルには何ともやりきれないものです。出された弁当を食べつつ20余年前を思い出してしまいました。
学会が終わったら会場近くの「親不幸(富孝)通り」を天神まで歩いてみました。35年ぶりです。ロクに通わなかった予備校と途中まで漫画描きで居た寮は今は駐車場に変わっていました。しかし街の通りのイメージや西鉄グランドホテル、岩田屋デパートなどは変わらぬ姿のように見えました。