二重整形・小切開法
二重の埋没法ではラインが取れてしまうような症例の場合は小切開がオススメです。黒目の上1cmの切開が標準ですが、2~3ヶ所切開し、目頭から目尻まで内部処理を行う術式の方が優れています。
症例画像
小切開法 症例A
※画像クリックで詳細な経過を確認できます「目は口ほどに物を言う」とのことわざがありますが、小切開の二重は埋没法とは似て異なり、自然な範囲で印象的な眼差しを作ります。若干ですが瞼の開きも良くなり目力ができる感じです。
小切開法 症例B
二重にとても成りそうにない頑固な一重も、希望の幅が無理のない自然なものなら小切開で大丈夫です。
逆に幅広の白人そのもののような二重をご希望の場合は、やはり全切開の方が向いています。
小切開法 症例C
元々右に眼瞼下垂があり左より右の瞼の開きが小さめですが、この改善は眼瞼挙筋腱膜の短縮などで治療ですから、二重を作る目的の小切開では、その改善は出来ません。従って術前のイメージを残したままパッチリした感じに仕上がります。
小切開法 症例D
派手な感じに仕上げる際は平行型が好まれますが、蒙古ヒダが強過ぎる場合は、目頭切開も併用して小切開を行った方が上手く行き易いです。
しかし目頭切開で平行型になると言うよりは、目頭切開で蒙古ヒダを弱めることで、小切開を行う際に平行型が作り易くなるというのが正しい見解です。
小切開法(目頭切開併用) 症例E
ハーフのような眼差し、アイメイクが決まる幅広二恵というご希望で目頭切開と伴に手術しました。
この症例の人は上のモニター様たちよりずっと前に小切開二重手術行なっており、術後7年経過しても二重のラインは全く安定しています(埋没法とは効果が違います)。
ただこの人より更に広い白人の様な二重を小切開で行うと何年かしてラインが浅くなった人もあり、現在は、外人並みの幅広二重をご希望の人には「小切開は限界のある手術」と言い、全切開をお奨めしています。
なお、目頭切開はZ法ですから妙にキツイ眼差しになっていません。
手術の解説
1.全切開と小切開の切開
全切開がメスで切り込んで創を開くのに比べれば小切開は先端の細いメス刃を差し込み小さな創を作る感じです。通常3箇所で3mm以内の切開にしています。
2.全切開と小切開の内部処理
全切開では中が丸見えにして内部処理するのから比べれば、小切開は小さな窓をあけたところからマイクロ摂子(顕微鏡用ピンセット)を入れての内部処理となります。
内部処理自体は、全切開でも小切開でもほぼ同様と言えます。しかし、外人風の目になるように徹底的な内部処理をするとなれば、全切開の方がやり易く、小切開では限界があると言えます。
3.全切開と小切開の内部処理の断面図
全切開は切開した部分を内部処理するのですが、丸見えなので、処理はやり易いです。
中糸固定を残すやり方と残さないやり方がありますが、残さないやり方では抜糸が遅くなります。
小切開ではマイクロ摂子を斜めにも入れて目頭~目尻付近まで後々は二重のラインの深さが同じになるようにと内部処理をします。半分はカンでやっているようなものです。なお 中糸固定は必ずします。
4.全切開と小切開の開瞼時の仕上がり
自然でパッチリの目が希望と言う事で行った、たるみの切り取りのない全切開では小切開と仕上がりの差があまりないです。
しかしできるだけ外人に似せるようにと脂肪をどんどん取り瞼板に強力な癒着を作るような内部処理はやはり全切開の方ができます。ただそういう目は「いかにも整形」とも見えがちです。
5.全切開と小切開の閉瞼時の傷(術直後)
全切開は1本の傷に細い糸で縫合が行われます。
小切開ではキメの流れにそった切開が行われていると手術終了時に瞼をパチパチしただけで傷口はピタッと接着することが多いです。そして二重のラインより下に腫れ防止の紙テープをはりますが、これは傷口の安静にもなり、縫合せずとも大変綺麗に治ります。
しかしキメの流れに逆らったようなラインを敢えて作った場合は傷口が自然に接着しないこともあり、この場合は皮膚縫合します。
6.全切開と小切開の閉瞼時の傷(術直6ヶ月以降)
全切開では傷は赤味が引いた後、白い一本の傷として残ります。小切開では後々は一見消えたように傷は分かり難くなるものです。
しかし全切開、小切開とも紫外線に当たると経過が遅くなります。夏は外出時に日焼け止めを塗った方が良いです。
料金
表示金額は税抜き価格となっております。
※小切開は行っていないクリニックや、行っていても熱心に取り組んでいないところの方が大半です。
よくあるご質問
医学コラム
全切開のように内部処理をするのが3mm×3の小切開二重
まぶたの脱脂の際の1~2mmの傷は後々肉眼で分からないレベルに落ち着くことは知られています。
担当医が脱脂に不慣れですと3mm余り切開して行うこともありますが、これもかなり目立たない傷に落ち着きます。
一方、全切開で目頭付近~目尻付近まで切開した傷は5年経っても分かりますが、取れない二重が作れることは魅力的です。それで皮膚をあまり切らずに皮下では全切開と似た内部処理ができないかと10年悩んで始めたのが、2箇所または3箇所切開の小切開です。
小切開の適応
二重のラインが取れたくない人で埋没法では無理な人、クッキリ・パッチリ目力のある印象的な二重が希望の人に適応があります。
逆に適応がないのは、まぶたを擦ったりすれば簡単に二重ができるような人、外人の目のような激変を望む人、皮膚のゆるみが多く切り取りをしないと綺麗にならない人が該当します。
小切開の麻酔
局所麻酔で行うのですが、まぶたの皮膚は柔らかいので意外に注射針を刺す痛みは軽いものです。なお術中にまぶたの開閉での確認を行う必要がありますから全身麻酔は不可です。静脈麻酔の選択はなくは無いですが、術前経口薬で眠気が生じますから、それで十分かと思います。
なお麻酔液の使用量は埋没法より多いのでそれは腫れを増す原因の1つになります。
小切開の腫れ
皮膚切開は小さくても皮下では全切開に近い手術操作が行われていますから、腫れも全切開に近いです。皮下出血による赤紫の色も出る人は珍しくありません。腫れを濃いアイメイクで何とか隠せるのは術後10日以降、スッピンか薄化粧でも違和感がなくなるのは術後1ヶ月位、一応の完成に至るのは術後3ヶ月以降と考えてください。
小切開の傷
術後1週間位までは3箇所の傷は分りますが、その後は徐々に薄くなり、早い人で3週間、遅い人で4ヶ月位まで待ちますと、ほとんど傷が消えたようになります。ただし紫外線を浴びたりし続けますと経過が遅くなります。
また、最終的に傷が全く消えるわけではありません。まぶたの皮膚を引っ張ってよく見ると微かに傷はあるものです。
小切開の二重はラインが取れないのか?
都内の医師から全切開を受けたのにラインが取れていた患者さんを4人みたことがあります。その4人の担当医は皆違っていましたが、うち3人はベテランドクターと観られている医師でした。全切開を受けたのにラインが取れることがあるとは唖然としますが、例えば患者さんが重度のアトピー性皮膚炎で毎日100回以上瞼を痒いから擦っていたら、内部処理で作られた癒着が伸びてラインが取れることがあっても仕方がないかな?とも思います。
小切開の内部処理が全切開と似て目頭~目尻近くまで行われているといっても、その操作は図説で示しましたようにガッチリとまでは行えませんから絶対にラインが取れないとも言えません。
小切開のその他の手術
小切開は別名が部分切開とも言われて通常は1ヶ所1cm位の切開で切った部分の下だけの皮下内部処理のみ行われていることが多く、その割り切った中途半端な手術には批判もあります。
しかし、切開を6mm+3mm,5mm+5mmなどの2箇所、またはこのHPのように3mm×3箇所に分け、皮下操作する時の摂子(ピンセット)を斜めにも入れて皮下を目頭~目尻付近まで操作する医師は全国に何人もいました。医療の姿勢に拘りがあるようで好感が持てます。