陥没乳首の手術
陥没乳頭は短い乳管が原因ですが、授乳機能を温存するには乳管を切らないため手術が難しく、再発のリスクもあります。乳管を切る場合、手技は簡単で再発もまずありません。
症例画像
陥没乳頭:皮下軟部組織弁を利用した当院独自の術式
手術の解説
1.乳頭縦割(鈍的剥離)
表皮のみ切って、あとはハサミで鈍的に開く開くようにして短縮された乳管を剥離・伸張します。この時、切れてしまう乳管もありますが、30%は乳管の損傷があってもほぼ正常の乳汁分泌は保たれると言われています。また硬い瘢痕があれば一部は鋭的に切離します。
2.乳輪下皮下組織弁形成
乳輪に傷をつけないのが肝要。
乳頭基部股裂き:鈍的に行います。
皮下組織弁交差:フラップ法です。
皮下組織弁充填・固定:吊り上げと言うより充填となります。
真皮弁での吊上げは真皮弁では薄く、やや脆弱とみられ、架橋後、たわんで再陥没の傾向があると推測されるのに比し、軟部組織弁を交差させるのは架橋というより充分なボリュームで充填して持ち上げる意味が強いと言えます。
真皮弁の代わりに皮下軟部組織弁を用いたことにより乳輪皮膚に瘢痕を作らずにすみ、乳頭持ち上げ効果も強力であり、そのため乳頭頸部のZ形成を行う必要がなく締め付けによる血行障害から来る乳頭壊死のリスクも回避される事となっています。
料金
表示金額は税抜き価格となっております。
各医院で独自に行われているものが多いですが、金額があまりに安いと効果も薄くなりがちです。
手術項目 | 金額 |
---|---|
陥没乳頭術 | ¥300,000 |
よくあるご質問
医学コラム
陥没乳頭の手術への考え方
陥没乳頭手術は、主に乳管が短いのが原因です。陥没乳頭の重症例には、ハンモックのように真皮弁で股裂きした乳管を吊り上げるのでなく、丈夫で太い皮下茎弁を交叉させる術式で行っています。
これは再発の少なさや傷の目立ち難さ等で有用です。
陥没乳頭の麻酔
局所麻酔(血管収縮剤入り)を使います。通常はキシロカインですが、麻酔アレルギーの既往があればプロカインやカルボカインやマーカインを使うこともあります。
当院による陥没乳頭手術の利点
- 再発の可能性はほとんどありません。
- 乳頭頸部でのZ形成での締め付けは行わない事で、血行障害による乳頭壊死も回避されています。
- 皮膚切開は乳頭部分だけで良いので、傷は肉眼でほとんど分かりません。
他の術式の問題点
- 乳輪も切開する術式の場合、白い線上の瘢痕が残り、見れば分かります。
- 酒井法のように乳頭縦割をしない方法は乳切断をしない限り、再発のリスクは高いものです。
そのリスクを減らすための乳頭基部でのZ形成による締め付けは、乳頭壊死のリスクがあります。